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写真(科学・178の大疑問) |
Qガラスは結晶構造がでたらめなのに、なぜ光を通すのですか?
A 東京大学大学院工研究科学生命工学専攻の山下俊講師
「確認のために言っておきますと、ダイヤモンドは結晶ですが、ガラスは結晶ではありません。ガラスは結晶構造がでたらめなのではなく、結晶自体がない、まったくでたらめな構造をしているものなのです。ですから、ガラスは構造がでたらめなのになぜ光を通すのか、と解釈させていただきます」
結晶とは、分子がある一定の間隔をもって同じ形で並んでつくられている個体のこと。ガラスは、分子が不規則な並びをしているもの(アモルファス)で、個体状態になった過冷却液体と定義されている。
光を通すか通さないかは、結晶かアモルファスかは問題ではなく、その物質と光がどのような関わり合いをするかで決まってくる。
「物質に光があたったとき、その光①表面で反射する②内部で吸収される③透過する、この三つに分かれます。どんな原子や分子でも、特定の波長の光を吸収するのですが、すべての原子や分子が可視部の光を吸収するわけではありません。ガラスの主原料となる二酸化ケイ素は、赤外部と紫外部には吸収帯があるのですが、可視光の領域には吸収帯をもっていないのです。そのためガラスは可視光は吸収されず、光が通るのです」
では、二酸化ケイ素からできているものならば光を通すかというとそうではない。同じ二酸化ケイ素からできているシリカゲル(乾燥剤)は光を通さないからだ。
「ガラスとシリカゲルは、原子の並び方は似ているのですが、シリカゲルの内部のところどころには可視部の光の波長と同じくらいの大きさの粒子があるのです。光の波長より小さい粒子なら、光はぶつからずに透過するが、同じくらいの大きさの粒子があると、ぶつかって散乱が起こり、光が通らなくなるんですよ」
ガラスには、可視光の領域に吸収帯がなく、そのうえ、光を散乱させるような要因もないため、入射光は素直に透過するのである。
(引用:科学・178の大疑問)
学校では教えてくれない素朴な疑問
Reviewed by 管理人
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15:38:00
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