トリクルダウン理論(滴り落ちる経済)の構造をわかり易く説明

トリクルダウン理論(滴り落ちる経済)
写真(Twitter)@LanceUlanoff

Trickle-down Economics (滴り落ちる経済)のTrick(トリック)。滴り落ちるというのはまやかし・・・。

究極のドラッガー
写真(究極のドラッガー

1939年に出版されたドラッカーの処女作『経済人の終わり』には、ブルジョワ資本主義とマルクス社会主義に絶望した大衆がファシズム全体主義に向かった事が書かれています。その論旨は次のようなものです。

ブルジョア資本主義の基盤になっている考え方は、人間を経済的動物(エコノミック・アニマル)とし、完全に自由な経済活動があらゆる目的を実現する手段と見るものです 。マルクス社会主義は、経済活動の成果による富をブルジョア階級から労働者階級に平等に分配しようとしたものでした。

しかし、自由な経済活動から世界恐慌が起こり、ブルジュア資本主義は結局人々に自由と平等をもたらすことはできませんでした。一方、マルクス社会主義は階級のない社会を目指したにもかかわらず、皮肉にも新たな階級構造を作り出し失敗に終わりました。結局この二つの社会体制は人を幸せにできなかったのです。

そして現れたのが全体主義のファシストでした。資本主義と社会主義という2たつの社会体制が失敗し、大衆が絶望の淵に立たされたとき、大衆が向かうのは魔術と奇跡しかなかった。つまり大衆は『小麦の価格を上げつつパンの価格を下げる』 といった矛盾を公然と喧伝する魔術師であるファシズムの指導者たちにすがったのだとドラッカーは論ずるのです。そしてファシズムはさらに多くの大衆を魅了していきます。

資本主義も社会主義もどちらもが経済至上主義であり、結局経済至上主義は人間を幸せにしないことをドラッカーは既に1939年に指摘していたのです。

引用:(究極のドラッガー


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