写真:セカンドハンドの時代――「赤い国」を生きた人びと |
本書を開くと、そのようなロシア人がうようよ出てくるような感じがした。たとえば、自分はソ連人であるという人たちが多い。のみならず、実際にアメリカに行って戻ってきた人物も登場する。ただ、ソ連時代がよかったという人も皆、ひどい目にあってきた。だから、ペレストロイカ(改革)に期待し、エリツィンにもプーチンにも期待した。しかし、望ましい社会は何一つ実現されなかった。できあがったのは、「金があるやつは人間、金がないやつはカス」という社会だった。そして、「やくざが国家にすわっている。」だけだ。それなら、ソ連のほうがましだった、自分は共産主義者だ、というわけである。
この作品は、ソ連崩壊後に生きる、多くの人々の話を録音して、編集したものである。
(引用:2016年12月18日 朝日新聞朝刊▼本物だけが時代を作る)
(書籍)セカンドハンドの時代(著者)スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ
スヴェトラーナ・アレクサンドロヴナ・アレクシエーヴィッチ(ロシア語: Светла́на Алекса́ндровна Алексие́вич, ベラルーシ語: Святла́на Алякса́ндраўна Алексіе́віч, 英語: Svetlana Alexandrovna Alexievich, Svyatlana Alyaksandrawna Alyeksiyevich、1948年5月31日 - )は、ベラルーシの作家、ジャーナリスト。「スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ」、「スベトラーナ・アレクシエービッチ」表記もある。2015年ノーベル文学賞受賞。
本物だけが時代を作る、セカンドハンドの時代「赤い国」を生きた。なぜ今も「ソ連」というのか・・・
Reviewed by 管理人
on
14:03:00
Rating:
0 件のコメント: