写真:(安達祐実パーソナルマガジン home) |
イメージとのギャップから抜け出して
1990年代、「具が大きい」レトルトカレーのCMやドラマ『家なき子』の相沢すず役など、子役として活躍し、世間に鮮烈な印象を残した安達祐実さん。
「最初は、子供ですし何にも考えていなかったですね。演技をしている感覚もなく、でも現場が楽しいからそこにいたという感じで。転機になったのは『家なき子』です。周囲の大人たちの真剣さや緊張感が伝わってきて、私も指示された通りやっているだけじゃダメだ、きちんと考えて演技しようと思い始めました」
その後もコンスタントに演技の仕事を続け、10代後半~20代、子役から女優へと転身する段階で長い葛藤の時期を迎えます。
「求められる演技の違いには徐々に慣れましたが、大変だったのはイメージとの闘い。年相応に見られない容姿はコンプレックスでしかなかったし、世間の方が求めるかわいくてうぶでな安達祐実という"虚構"と、自然体の自分とのギャップに、長い間悩みました。本当の自分を見せたところで受け入れられるのだろうか、という恐怖心も強くて。私なんて別に誰にも興味を持たれてないし、いつ死んでもいいやとさえ思っていました」
長い闇から完全に抜け出せたのは29~30歳のころ、という安達さん。現在のご主人である写真家、桑島智輝氏との撮影がスタートした時期と重なります。
「最初は写真集を出せるという確約はなく、週一回、自宅や街で日々の記録のように撮影をしていました。写真家と被写体という仕事の関係でした。どちらかが面倒になったら『辞めたい』と言っていいというルールを作ったのですが、彼がそれを言い出さないことで、これは彼にとって意味のある作業なんだとわかり、それなら自分にも存在する意味があるなと。写真には、私の知らない私が写っていました。虚構の姿でもなく、自分が思っていたような真面目な人でもなく、結構ふざけた自分もいて・・・。写真から自分の性格を知っていくような、不思議な作業でした」
世間の評価にとらわれない、自由な心へ
約2年間撮りためた安達さんの写真集は、写真集『私生活』として発表されます。帯には「ただ、生きている」という一言が。その後、ふたりは結婚して夫婦になります。自分には価値がない、死んだって構わないと思っていた安達さんが、ただ生きて、存在しているだけでいいんだと思えるようになったのは、安達さんを必要とし続けているご主人の存在があったからなのでしょう。
「家事の分担で文句を言ったりすることはありますが(笑)、私と一緒に過ごしてくれる彼には、本当に感謝しています。出会ってからいろいろなことが変わりました。『私ひとりいなくなっても別に』という気持ちはずっと根柢にあるのですが、今は『私がどうなっても世間は大して気にしないから、自由でいいや』という、ポジティブ思考に。気持ちにゆとりができましたね」
(引用: Ci:Lover Premium 3月号)
魅力が開花した人 女優・安達祐実 仕事で生きている意味を感じられる
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