ブラジル大統領選 首位の極右候補ボルソナロ氏が刺される

写真(Twitter)@OGloboPolitica
10月のブラジル大統領選で、世論調査で首位を走るボルソナロ下院議員(63)が6日、選挙キャンペーン中に襲われ、腹部を刺される事件が発生した。病院に搬送された。けがの程度は不明だが、選対幹部を務めるボルソナロ氏の息子はツイッターに「生命の危険は無い」と投稿した。

 (引用:日経新聞

事件を受け、市場では株や通貨レアルが買われた。主要株価指数のボベスパは事件が明らかになった午後4時(日本時間7日午前4時)頃から急上昇し、前日比1.8%高の7万6416で取引を終えた。レアルも1ドル=4.05レアルと、対ドルで同2.1%高となった。 
市場関係者はボルソナロ氏が復帰すれば選挙戦で極右の同氏が有利になり、選挙戦に出れなくなれば経済界が支援する中道右派のアルキミン前サンパウロ州知事(65)に追い風だと分析する。どちらにせよ、ばらまき政治への回帰を掲げる左派系の候補にとって逆風となるとの思惑から、株や通貨に買いが集まっている。

(引用:日経新聞 )

ボルロス氏インタビュー記事

人なつこい笑顔を振りまき、自分の冗談に高らかに笑う陽気なおじさん。しかし、口を開けば、「ブラジル第一主義」「移民受け入れ制限」「少年犯罪の厳罰化」「善良な市民に銃を配れ」と、過激な主張が次々に飛び出す。中でも、主要メディアが「ブラジル民主主義の最大の脅威」と警戒するのが、公の場でもはばからない軍事政権時代への賛美だ。

ブラジルでは1964年の軍事クーデターから85年の民政移管まで、軍部が政治の中枢を握っていた。反対派への拷問で多くの死者が出た。市民は集会を禁じられ、表現の自由も制限された。

欧米の価値観からすれば、当時のブラジルは「軍事独裁政権」。国内でも軍政への支持はタブー視されている。

しかし、軍人出身のボルソナーロは、書斎に飾ってある軍政時代の大統領5人の写真を仰ぎ見て言う。「軍政下では、平和で治安もよく、雇用も守られていた。今よりもずっと進んだ国だった」

こうした主張は以前から続けていたが、急激な広がりを見せたのは、SNSを活用して、政治的なメッセージを毎日送るようになってから。現在、ツイッターとフェイスブックのフォロワー数の合計は国内政治家で屈指の550万以上だ。

その影響を最も強く受けているのが若年層だ。民間調査会社IBPOの最新調査では、16~24歳の25%がボルソナーロを支持すると答えた。彼らの多くは中流家庭で育った高学歴の若者たちで、「ボルソミニオンズ」と呼ばれている。彼らは、SNS上でボルソナーロを「神話」「伝説」と呼んで称賛する。日本でいえば、「伝説のヒーロー」といったところか。

ブラジリアでロースクールに通うジョゼ・コスタ(19)も、ボルソミニオンズの一人。裕福な企業家の家に生まれ、5年前に両親と渡米し、ビジネス教育に強い大学で経営学を学んだ。 

休暇で一時帰国した昨春、政府会計の粉飾に関わったとして当時の大統領ルセフの弾劾を求めるデモに加わった。そのとき、「ブラジルという国家こそ重要だ」と演説するボルソナーロに心を震わせた。

「この国のために仕事をしてくれる政治家は彼しかいない」 

それは、既存の政治家や政党に対する失望の裏返しでもあったという。

(引用:朝日新聞GLOBE

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