自己啓発はもうやめて、石を持て

それでもこの国の若者たちは体制に順応する傾向が強い。大企業への入社を目指して大学の成績やTOEICのスコアを上げようと熱心に努力し、父親世代が敷いた出世コースに乗ろうと必死になっている。だが、こうした構造は「世代間の協約」が前提となっている。一生懸命に頑張ればそれなりのポストが得られ、安定した生活が保障される、という社会的な合意があってこそ有効となるのだ。 

今となっては世代間の協約という古い秩序は崩れた。借金まで抱え、大学を卒業しても半数以上は失業者か非正規職として社会生活をスタートさせる。古い世代が幾重にも築き上げた正規職という関門を突破するのはごく少数にすぎない。このままでは、若者と古い世代の間の世代戦争は避けられない状況だ。就職先だけでなく、住宅市場や年金・福祉体系などあらゆる仕組みが、古い世代に有利になっているからだ。 

古い世代向けの福祉に金を費やしているため、国の金庫はがら空き、国の借金は増え続けている。与野党が保育費無料化や給食費無料化といった政策を打ち出すや、非正規職の若者たちは「結婚もできないのに、そんな政策は意味がない」と冷笑した。福祉サービスの対象外となりながら、将来に向けて巨額の財政請求書を突き付けられた若者世代は、怒りを噴出し始めた。 若者の怒りはすでに現実のものとなった。選挙のたびに、若者層が投票所に出向くことを恐れ、与党が戦々恐々とするコメディーのような状況が繰り返される。ただ、野党も、給食費無料化をめぐる住民投票を不成立に追い込んだと喜んでいる場合ではない。「無償」シリーズが未来の世代に負担としてのし掛かることが確実となれば、その瞬間から若者の怒りは野党に向けられる可能性もあるのだ。 

 挫折する若者に対し、もっと頑張れと個々にハッパを掛ける時代は終わった。左派グループは若者たちに対し「自己啓発はもうやめて、石を持て」と訴えている。若者が搾取されている構造をひっくり返せというわけだ。希望がなくなれば、抵抗が始まる。いわゆる「88万ウォン世代(非正規職を転々とし、1カ月の平均所得が88万ウォン〈約6万2000円〉程度の20代)」が石を手にする前に、われわれの社会は若者たちに希望を与えているだろうか。 

 「88万ウォン世代」の抵抗が始まる日 
 (引用:2011/09/12 朝鮮日報)


自己啓発はもうやめて、石を持て 自己啓発はもうやめて、石を持て Reviewed by 管理人 on 17:19:00 Rating: 5

0 件のコメント: