プラセボ効果 ブランド効果と価格プラセボ効果について




同じ主成分・用法用量である「広告商品」と「非広告商品」を比較するうえで,連想される心理的現象として“プラセボ効果”が挙げられる.プラセボ効果とは,いわゆる「ビタミン剤を頭痛薬と偽って飲ませると,鎮痛成分が入っていないにもかかわらず,頭痛が治ってしまう現象」のことであり,偽薬効果とも呼ばれる.Malani(2006)は,プラセボは社会科学,特に経済学に関連すると主張する.プラセボ効果は生理現象であるよりもむしろ行動であり,楽観的な患者は症状に対処すべく自身の行動を修正する.薬を製造するよりも安価で信念を操作することが可能であるとして,それを医者が許可するのであれば,高価な薬をインスピレーションあふれる言葉と置き換えることで医療費を削減できるのではないだろうかと述べる.Shiv et al.(2005b)においても,“マーケティング活動によるプラセボ(placebo effects of marketing actions)”が言及されている.

 Ariely(2010)は,Waber et al.(2008)と Shiv et al.(2005a)を紹介し,同じプラセボであっても,価格が高いプラセボの方が鎮痛効果は高いとする“価格プラセボ効果(placeboeffect of prices)”の存在に言及している.Branthwaite and Cooper(1981)では,「同じアスピリン(鎮痛成分)であれば,広く知られたブランドのアスピリンの方が,鎮痛効果が高い」ことが示された.Kamenica et al.(2013)もまた,抗ヒスタミン薬であるメルク社「クラリチン」とマクニール社「ジルテック」の医薬品広告を用いた実験から,ブランド広告が薬理作用を有意に増大させる知見を示した.Moerman(2002)は,医薬品の効能を高める“ブランド効果”は「意味応答(meaning response)」として扱い,本来のプラセボ効果とは区別すべきものと主張する。

引用: 
消費者の一般用医薬品購入選択におけるコンジョイント分析を用いた
ブランド効果と価格プラセボ効果の比較検証 
http://www.abef.jp/archive/event/2014/pdf_abst/PR0020.pdf





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