天声人語「いよいよ東京は『おもてなし』準備の本番に入る。訪日外国人向けの表示や標識は何カ国語くらいがよいのだろう」

東京オリンピック2020
椎名林檎さんプロデュースのトーキョーショー

リオから五輪の旗を託され、いよいよ東京は「おもてなし」準備の本番に入る。訪日外国人向けの表示や標識は何カ国語くらいがよいのだろう。リオの案内板を出張中の同僚に調べてもらった。

五輪会場の文字はポルトガル語に続いて英語が多い。コパカバーナ海岸など観光地ではこれにスペイン語が加わる。近隣諸国の公用語ゆえ外すわけにいかないそうだ。

「東京五輪でも、ぜひ近隣の中韓の言語を大切にして欲しいですね。」と話すのは、ドイツ出身のぺートバックハウス早稲田大准教授(41)。東京で公共案内板に外国語がどう使われてきたか、言語学者として調べてきた。

かつて東京では日本語だけの案内が多かった。だが「横断禁止」の標識が読めない外国人がはねられる事故が起き「DO NOT CROSS」などの英語併記が広まった。1986年の東京サミットを契機に英語やフランス語、ドイツ語などが街角に目立つようになった。

ハングルや中国語の表記を急増させたのは、2002年サッカーW杯の日韓共催である。その後、東京では日英中韓の4カ国語併記が標準になりつつあると准教授は言う 。

4年後の東京大会に向け、都などは日英語と図記号を案内の基本にするそうだ。ただ、歴史的な結びつきや行き来る多さを考えると、ここは中国や台湾、韓国からの訪問者には手厚く対応したい。日本ならではの歓待を世界に届けるのももちろんだが、近くて遠い「お隣さん」との心の距離を縮める好機にしたい。
(天声人語/朝日新聞 朝刊 2016年8月23日)

国土交通省 観光庁 観光立国実現に向けた 多言語対応の改善・強化のためのガイドライン

平成25年には史上初めて訪日外国人旅行者数1000万人を達成したが 、さらに2000万人の高みを目指すためには、官民一体となって観光立国実現に向けた取組を強化する必要があり、とりわけ、多言語対応については、関係者が共通の理解や認識に立って、その改善・強化を図ることが重要である。2020年にオリンピック・パラリンピック東京大会開催を迎え、数多くの訪日外国人旅行者に、東京はもとより、国内各地を訪れて、日本の素晴らしさを堪能していただくためにも、関係者が総力を挙げて多言語対応に取り組んでいく必要がある。
(引用:PDF(観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン
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