Children Not Looking At Modern Art、今日のこの国(米国)において、また明らかにフランスにおいても、芸術において具合の悪い事態が起こっている

Herb Slodounik, Peeking through the vents at the San Francisco Museum of Art, prior to the 1970's.




写真(<反>哲学教科書

デュシャンはこのオブジェを「レディメイド」と呼んだ。このオブジェと他の同じような品との違いは、美術展への出品を決める芸術家の意志があったかないかだけだ。この小便器は、衛生管理者のスペシャリストである配管工が君たちの学校に設置しても、芸術家が展示会場の陳列台に置いても、物質的には同じものだ。ところが象徴的には、美術館に置かれると、トイレに置かれた場合とは違う意味を担うようになる。機能が変わり、用途も変わるのだ。本来の使用目的が消えて、本来のものではない美的な目的が現れる。「レディメイド」はその時、美術史の中に入り込み、「近代性」を盾に揺さぶりをかけるのだ。

写真(wiki/マルセル・デュシャン
当然、この美のクーデターには、美術界の公式の立場からの抵抗も見られた、ペテンだ、悪ふざけだ、不真面目だ、などの非難が渦巻いき、凡庸なオブジェクトを美術品に変えてしまってはいけないとの声も出る。小便器はそのまんまであり、作品として練り上げられたわけでもなく、ただ署名の名前だけが入れられただけなのだ。反対に、普通の芸術作品は練り上げられ、丹念に磨かれ、業界のお偉方に古典として認知されている。けれども、古くからの絵画、彫刻、展示法と決別しようとするアヴァンギャルドたちは、オブジェを美術史上の主要作品として認めさせることに成功する。こうして新旧の対立が表面化し、保守派と革新派、懐古趣味と進歩主義の間で鮮烈な戦いが繰り広げられていく。

20世紀の歴史はマルセーユ・デュシャンに軍配を上げた

参照:反哲学教科書



マルセル・デュシャン(Marcel Duchamp、1887年7月28日 - 1968年10月2日)は、フランス生まれの美術家。20世紀美術に決定的な影響を残した。画家として出発したが、油彩画の制作は1910年代前半に放棄した。チェスの名手としても知られた。ローズ・セラヴィ(Rrose Sélavy)という名義を使ったこともある。2人の兄、ジャック・ヴィヨン(Jacques Villon, 1875年 - 1963年)とレイモン・デュシャン=ヴィヨン(Raymond Duchamp-Villon, 1876年 - 1919年)も美術家。1955年、アメリカに帰化した。wiki/マルセル・デュシャン
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